化学品の情報伝達に欠かせないSDSは「Safety Data Sheet」の頭文字で、以前はMSDSと呼ばれていました。法規制では、労働安全衛生法(安衛法)、毒物及び劇物取締法(毒劇法)、化学物質排出把握管理促進法(化管法)で規定された物質はSDSの提供義務があります(ラベルが必要な場合もあります)。SDSやラベルはJIS Z7253に準拠したGHS※に対応したものである必要があります。

 平成28年6月から,「労働安全衛生法の一部を改正する法律」(平成26年法律第8号)による化学物質のリスクアセスメントの実施が義務化されました。これまでは事業者の自主性に委ねられていたリスクアセスメントを改正後は、物質を扱う事業者が主体的に行うことが求められ、そのための危険有害性及びリスク管理に関する情報をSDSで的確に伝達、共有していくことが重要となります。

 多くの化学品は複数の化学物質からなる混合物であるため、GHS分類を適切に行うことが難しく、事業者の皆様が、法規制やJIS Z7253に準じた適切なSDSやラベルを作成するのは、ハードルが高いと思われます。


※GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsとは、化学品(物質および混合物)の危険有害性(hazard)に関する分類基準と表示方法(SDSおよびラベル)に関する国連勧告です。